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20211224 年末合宿(A班):北岳

期間:2021/12/24~2022/1/3


メンバー:村田(理工5), 原(薬3), 藤井(経3), 西田(情理2), 五十嵐(理工2), 南川(スポ健2), 西村(文1), 長澤(情理1), 谷﨑(理工1)


概要:南アルプスに位置する日本第2の高さを誇る北岳登頂と、白根三山縦走を目標に組まれた合宿であったが、体調不良者、途中下山者など予想外の事態が多発したために予備日を無駄に消費してしまい、合宿完遂とまでは至らなかった。山行中は強風による途中撤退や、ホワイトアウトによる視界不良で稜線上にテントを張ることを余儀なくされるなど、様々な困難は生じたが、最後に北岳アタックを達成したため、最低限の成果を果たせた合宿であった。


行動記録

12/24(雨).12/25(晴) 21:00京都駅~24:00名古屋駅~6:30夜叉神ヒュッテ~11:28あるき沢橋~15:11池山ピーク~16:22池山小屋


 京都から名古屋方面への直行便が取れなかったので名古屋経由になった。京都駅に集合して装備チェックを行い名古屋に向かった。大きな忘れものはなく、アクシデントは初合宿の西村が磁北線を引き忘れていたくらいだった。名古屋はクリスマス一色であった。実家から来た五十嵐を加え気象や明日の注意事項を共有した。竜王駅では雨が降っており天候を心配したが、夜叉神は20センチほどの新雪が積っていた。

 今回も冬は林道歩きである。池山までの登り区間で時間がかかる心配があったので、林道は急いだ。積雪直後で凍結はしていなかったが、滑落を防ぐために鷲ノ住山でアイゼンを装着した。吊橋から林道への滑りやすい急斜面が若干危なく、通過に時間がかかった。歩き沢から30分ほど登った辺りから積雪がだんだん深くなった。1回生が大きな雪の段差でよく滑るため心配であった。人数が多いのでルートファインディングやラッセルなどでコミュニケーションを取ることを意識しつつ標高を上げた。池山付近では膝くらいの積雪であった。御池小屋は6テンが2つ立てられる広さで、先客もおらず快適に過ごせた。28日には6パーティいたので早い時期でよかった。西田、竹村と城山付近までトレースをつけて長い初日を終えた。

12/26(晴) 5:00起床~6:03出発~8:10城峰~12:52砂払



 全体的にトレースをつける必要があったため、以前の合宿よりも時間がかかってしまった。前日に体力の余っていた上回生が数百メートルトレースをつけてくださったため少しは時間短縮につながったが、そのトレースが途切れると全員がラッセルを交互にしなければならなかった。以前はトレースがあったため出発時はアイゼンを装着していたが今回の合宿は行動開始時からワカンを装着する必要があった。森林限界までの行程だったため風はあまり吹かず計画通りに進んだと思うが、移動距離の割に標高差があったため厳しいと感じるかもしれない。特に、城峰付近の登りはかなり傾斜が急なため、登るのに一苦労でかつ、全員が協力してラッセルをしなければ時間もかかり体力も奪われる。12月26日は降雪の影響で、通常時が踝からふくらはぎにかけてのラッセル、傾斜が急なところでは腰ラッセルをする必要があった。

12/27(晴) 停滞/偵察組(村田、藤井、竹村、西田、五十嵐、西村)6:00起床~7:05砂払~8:00ボーコン沢の頭~10:26八本歯の頭~12:12ボーコン沢の頭~12:35砂払



 荷物を砂払のキャンプに置いての、偵察&ルート工作であった。素晴らしい快晴であり、この日にテントを進められなかったことはとても残念であった。高山病は個人の修練?で治るようなものでもないと思うので、既往歴のある部員の高所での非定着型合宿参加の禁止、もしくはダイアモックス等の医療用医薬品の持参の強制などを検討すべきであると感じた。

12/28(晴) 5:00起床~6:05出発~7:10ボーコン沢の頭~8:10撤退判断~9:00砂払



 前日の偵察時につけたトレースがボーコン沢頭まで消えていたが頭を超えた先は残っていた。

ボーコン沢頭到着時点では強風に晒されていて、八本歯を越えるのは危険と判断し吹き溜まりにて風が収まるのを待った。その後は時間経過と共に風が弱くなりコンディションは良好であった。

12/29(晴) 五十嵐下山のため停滞

12/30(雪) 5:00起床~6:40出発~7:12ボーコン沢の頭~8:30八本歯の頭~9:00懸垂下降(3時間程度)~14:00北岳分岐~16:00北岳手前の稜線上にテント設営



 前日までの視界の良さはなくなり、この日はそこまで視界が開けてはおらず、出発を少し遅らせた。天気は決していいとは言えなかったが風はそこまで強くなく、気温のほうも曇っていたために耐え得るほどであった。停滞していた間に登山者が次々と登っていたため、ラッセルは3日前の偵察時よりもはるかに楽であった。順調にボーコン沢の頭を超え、八本歯の頭までたどり着いた。この時、視界は目の前に見えるはずの北岳が見えないほどに悪かったが、それ以上に恐れていた強風と低温がなかったため通過することとなった。ロープを出して懸垂下降をしたが、一人当たりにかかる時間が長く、それが8人分という事もあって相当な時間をかけてしまった。その後は視界が芳しくない中進んだが、途中で道を間違えていることに気が付き、少し来た道を戻った。登山道のような道を見つけ、北岳分岐までたどり着くことができ、北岳山荘までは1時間もあれば到着すると思われた。途中までは鎖や階段などの目印があったため、それが登山道であることに間違いはないと自信を持って歩いていたが、次第に視界が悪化して正しいルートがわからなくなった。周囲の状況から北岳山荘がすぐ近くにあるとは思われず、また、岩稜帯であったためビバークをすることも考え始めた。日没まであと1時間を切ったころ、稜線上にやや平たんな場所を見つけたため、そこにテントを張ることにした。隊員はみな疲れ切っており、いまにも倒れそうな者もいた。先に1つテントを張って体調の悪そうな者を休ませ、余力のあるもので2つ目を張った。稜線上は非常に風が強く、気温もすこぶる低かったが、ビバークよりはましであると言い聞かせ、寒さにこらえながら一夜を明かした。

12/31(吹雪) 6:30起床~11:10出発~12:05北岳山荘



 昨日より少しでも視界が回復していれば出発するつもりであったが、何ら変わりはなかったので11時頃まで様子見とした。出発後も視界は悪く「北岳山荘まで10分」の標識から少し進んだ時、ルートが分からなくなったので一旦標識まで戻った。進行方向もルートも合っていたが開けた場所だったので、北岳山荘と自分達との距離感がつかめなかった。北岳山荘冬季小屋は山荘の2階に設けられている。中は6テンをちょうど2張りできるスペースがあった。

1/1(晴) 6:00起床~7:55中白根山へ出発~8:30北岳山荘(撤退)~10:00北岳ピストン(撤退)~11:45北岳分岐



 中白根山へ出発時、晴天のため視界は良好であったが強風のため思うように進むことができなかった。さらに強い風が吹いてきたため、これ以上進むと危険であると判断し北岳山荘へ引き返した。しかし、前日の天気予報より、午後から風が弱まると考え、北岳ピストンへ。尚サブリーダーである西田が凍傷及び体調不良のため山荘内で待機。北岳分岐ではあまりの強風のため、立つことすらままならず、危険と判断し、トラバースルートを利用して撤退した。

1/2(晴) 6:00起床~7:10出発~8:20八本歯・北岳分岐~8:43北岳山頂~9:50八本歯のコル~11:13ボーコン沢の頭~12:19城峰~13:58池山小屋~15:20あるき沢橋



 北岳山荘から北岳までは最初は稜線の東側に少し下ったところを進んだが、ルートファインディングが難しかったためすぐに稜線上に上がることにした。この日の雪はかなり締まるか凍るか溶けるかをしていたのでラッセルはかなり楽だった。ある程度進んだところで一部かなり夏道が埋まっており、岩稜の下の傾斜の大きい凍った雪面を進むことになったが、かなりアイゼンが刺さりにくく危険だったので上の岩稜を進むべきだったのかもしれない。分岐では荷物を置いて北岳へ向かった。途中にまた傾斜の大きい凍った雪面があったため、やはりなるべく避けて岩稜を進んだ方がよかったのだろう。山頂からの下りでは一か所南西に分岐する小さな尾根があり、登頂して浮かれていたためその尾根に迷いかけてしまった。八本歯のコルは、下りでは逆に上りになるためロープを使わずにスムーズに通過できた。ピッケルはこの時邪魔になるのでハーネスのギアラックに差しておいた。天気が良くほかの登山者がいたためその後の下りはかなりスムーズだった。城峰から池山までの下りは樹林帯だが下りがかなり急なところもあるため、油断せずピッケルは出しておいた方が良い。池山付近で一泊しても良かったのだが、時間的に余裕があり、急な下りを朝早くの暗い時間に進みたくなかったので、あるき沢橋まで進むことにした。池山からあるき沢橋までの下りでは、急な下りが終わり雪も少なくなってきた地点でアイゼンを外した。凍った落ち葉や土が相まってかなり滑りやすくなっているため、少しでも傾斜が急な場所では慎重に足を置いて進んだ。あるき沢橋付近では道の上の待避所にテントを張った。沢で水を汲めるので、残り少ないガスを節約することができた。

1/3(晴) 4:30起床~5:40出発~9:15奈良田温泉



 距離は14キロほどで早い人が歩けば三時間ほどで到着できるようだった。雪は少なく、橋の上とトンネルの中の凍った路面にさえ気を付ければよい。途中地図上にない1キロほどの長さのトンネルがあり、ある程度ショートカットできたようだった。

RUAC
-立命館大学体育会山岳部-

縦走やクライミングなど、一年を通して山で活動しています立命館大学体育会の部活動です。

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